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三笠山光をさして出でしより
曇らで明けぬ秋の夜の月

歌の意味
三笠山に光を差して出てから、一度も曇ることなく明けてしまった秋の夜の月であることよ。
鑑賞
巻第三 秋歌 200

 三笠山から光を差して昇ってから、一度も曇ることなく夜明けを迎えた秋の夜の月である、と詠む歌である。一晩じゅう曇りなく照り続けた月をたたえている。
 三笠山は奈良の春日の山で、藤原氏の氏神である春日社の神山である。本歌から本巻の第二百四首までは、三笠山や春日山など春日の地の月を詠む歌が続いている。
 本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。

 初句「三笠山」は奈良の春日にある山で、その名の「笠」が二句の「さして」と縁語の関係にある。
 二句「光をさして」の「さす」は、月が光を「差す」意と、笠を「差す」意とを掛けた掛詞である。
 三句「出でしより」は出てからの意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
 四句「曇らで明けぬ」の「で」は打消の接続助詞で、曇ることなく明けたの意となる。
 結句「秋の夜の月」は体言止めで、本巻の第百七十七首、第百八十八首と同じ結句である。

みかさやま:奈良の春日にある山
さす:光が「差す」意と、笠を「差す」意を掛ける
出典
金葉和歌集
前の歌
名残なく夜半の嵐に雲晴れて 心のままに澄める月かな
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宿からぞ月の光もまさりける 世の曇りなくすめばなりけり