さらぬだに玉にまがひて置く露を
いとど磨ける秋の夜の月
- 歌の意味
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そうでなくてさえ玉と見まがうように置いている露を、いっそう磨き立てている秋の夜の月であることよ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 209
ただでさえ玉と見まがうほど美しく置いている露を、秋の夜の月の光がいっそう磨き上げて輝かせている、と詠む歌である。露を玉に見立てる伝統的な趣向に、月光による輝きを加えている。
本巻の第二百二十七首からは白露の歌が続き、露の美しさがさまざまに詠まれている。
本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。
作者の「仲正」は、源頼綱の子で兵庫頭に至った源仲正である。源頼政の父で、堀河天皇の時代から歌人として活動した。
初句「さらぬだに」はそうでなくてさえの意で、月の光がなくてもという含みを示している。
二句「玉にまがひて」の「まがふ」は見分けがつかないほど似る意で、露が玉と見まがうさまをいう。
三句「置く露を」は草葉に置いている露をの意である。
四句「いとど磨ける」は、いっそう磨いているの意で、「玉」と縁語の関係にある。「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。
結句「秋の夜の月」は体言止めで、本巻の第百七十七首、第百八十八首、第二百首と同じ結句である。
さらぬだに:そうでなくてさえ
まがふ:見分けがつかないほどよく似る
- 作者
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源仲正
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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月影のさすにまかせて行く舟は 明石の浦や泊りなるらむ
- 次の歌
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世とともに曇らぬ雲の上なれば 思ふことなく月を見るかな