世とともに曇らぬ雲の上なれば
思ふことなく月を見るかな
- 歌の意味
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いつまでも曇ることのない雲の上、宮中であるので、何の憂いもなく月を見ることだ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 210
いつの世までも曇ることのない雲の上の宮中にいるので、何の憂いもなく月を見ることができる、と詠む歌である。曇りのない宮中を月の曇りなさに重ね、治世をたたえる心を込めている。
宮中を「雲の上」と詠む点で、本巻の第百五十八首と響き合っている。
本巻の第百七十四首から第二百十七首までは月の歌が長く続き、夕月夜から八月十五夜の名月、有明の月まで、さまざまな月のありさまと月を見る心が詠まれていく。
初句「世とともに」はいつまでもの意で、宮中の栄えが永く続くことを示している。
二句「曇らぬ雲の」は曇らない雲のの意で、「曇る」と「雲」を重ねる言葉の遊びがある。
三句「上なれば」は二句と合わせて雲の上であるのでの意で、「雲の上」は宮中を指している。本巻の第百五十八首にも同じ語がある。
四句「思ふことなく」は思い悩むこともなくの意である。
結句「月を見るかな」は月を見ることだの意で、終助詞「かな」で詠嘆している。
くものうへ:宮中
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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さらぬだに玉にまがひて置く露を いとど磨ける秋の夜の月
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松が根に衣かたしき夜もすがら 眺むる月を妹見るらむか