白菅の真野の萩原露ながら
折りつる袖ぞ人なとがめそ
- 歌の意味
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白菅の生える真野の萩原で、露のついたまま萩を折ったので濡れた袖なのだ。人よ、涙で濡れたのかととがめないでくれ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 229
真野の萩原で露のついたまま萩を折ったので袖が濡れたのであって、涙で濡れたのではないのだから、人よ、とがめないでくれ、と詠む歌である。萩の露に濡れた袖を、恋の涙かと怪しまれることを先回りして打ち消すおかしみがある。
真野の萩原は万葉集以来の歌枕で、白菅とともに詠まれてきた。真野は本巻の第二百三十九首にも「真野の入江」として詠まれている。
本巻の第二百二十七首から第二百二十九首までは、野辺の白露と萩の歌が続く。
作者の「仲正」は、源頼綱の子で兵庫頭に至った源仲正である。源頼政の父で、堀河天皇の時代から歌人として活動した。
初句「白菅の」は白菅の生えるの意で、二句の「真野」にかかる枕詞のように用いられている。
二句「真野の萩原」は萩の生い茂る真野の野原で、萩の名所の歌枕である。本巻の第二百三十九首にも「真野」が詠まれている。
三句「露ながら」は露がついたままの意である。
四句「折りつる袖ぞ」は萩を折った袖なのだの意で、係助詞「ぞ」による強調がある。ここで句切れとなる四句切れの歌である。
結句「人なとがめそ」は「な〜そ」の形の禁止で、人よとがめないでくれの意となる。袖の濡れを涙と思われることを打ち消している。
しらすげ:白菅。水辺に生える草
まの:萩の名所として知られる歌枕
とがむ:怪しんで問いただす
- 作者
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源仲正
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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小萩原にほふ盛りは白露も 色々にこそ見えわたりけれ
- 次の歌
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女郎花咲ける野辺にぞ宿りぬる 花の名立てになりやしぬらむ