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夕露の玉かづらして女郎花
野原の風に折れやしぬらむ

歌の意味
夕露の玉を髪飾りのように付けた女郎花は、野原を吹く風に折れてしまっただろうか。
鑑賞
巻第三 秋歌 231

 夕露の玉を髪飾りのように身に付けた女郎花が、野原を吹く風に折れてしまったのではないか、と案じる歌である。女郎花を露の玉を飾った女性に見立て、風に吹かれる花のはかなさを思いやっている。
 女郎花が風に折れることは、本巻の第二百三十三首でも「夜の間の風に折れ伏して」と詠まれている。
 本巻の第二百三十首から第二百三十三首までは女郎花の歌が続き、女郎花を女性になぞらえて、白露や風とのかかわりが詠まれていく。

 初句「夕露の」は夕方に置く露ので、二句の「玉」を導いている。
 二句「玉かづらして」の「玉かづら」は玉を緒に通した髪飾りで、露の玉を髪飾りに見立てている。
 三句「女郎花」は女性に見立てられた花で、主語として置かれている。
 四句「野原の風に」は野原を吹く風にの意である。
 結句「折れやしぬらむ」は折れてしまっただろうかの意で、係助詞「や」と現在推量の「らむ」が結んでいる。前歌の第二百三十首の「なりやしぬらむ」と同じ形の結句である。

たまかづら:玉を緒に通した髪飾り
出典
金葉和歌集
前の歌
女郎花咲ける野辺にぞ宿りぬる 花の名立てになりやしぬらむ
次の歌
白露や心おくらむ女郎花 色めく野辺に人通ふとて