女郎花夜の間の風に折れ伏して
今朝白露に心おかるな
- 歌の意味
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女郎花よ、夜の間の風に折れ伏したからといって、今朝置いた白露に気がねして、心を置かれることはない。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 233
夜の間の風に吹かれて折れ伏してしまった女郎花に向かって、今朝、白露に気がねしたり、うとまれたりすることはない、と呼びかける歌である。女郎花を女性に見立て、風に身をまかせたことを白露に気がねする恋の心に重ねている。
前歌の第二百三十二首では白露が女郎花に心を置き、本歌では女郎花が白露に心を置かれるなと詠まれ、二首は対をなしている。女郎花が風に折れることは、本巻の第二百三十一首でも詠まれている。
本巻の第二百三十首から第二百三十三首までは女郎花の歌が続き、女郎花を女性になぞらえて、白露や風とのかかわりが詠まれていく。
作者の「忠通」は、藤原忠実の子で摂政関白太政大臣に至った藤原忠通である。法性寺関白と呼ばれた。漢詩や書にもすぐれた。
初句「女郎花」は呼びかけの対象で、女性に見立てられている。
二句「夜の間の風に」は夜の間に吹いた風にの意で、風を女郎花のもとに通う男に見立てる含みがある。
三句「折れ伏して」は折れて倒れ伏しての意で、本巻の第二百三十一首の「折れやしぬらむ」と通じている。
四句「今朝白露に」は今朝置いた白露にの意で、前歌の第二百三十二首と同じく白露を女郎花の恋人に見立てている。
結句「心おかるな」の「おか」は、露が「置く」意と、気がねする意の「心置く」とを掛けた掛詞である。「る」は受身の助動詞、「な」は禁止の終助詞で、心を置かれるなの意となる。
こころおく:気がかりに思う、遠慮する。露が「置く」意を掛ける
をれふす:折れて倒れ伏す
- 作者
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藤原忠通
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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白露や心おくらむ女郎花 色めく野辺に人通ふとて
- 次の歌
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佐保川の汀に咲ける藤袴 波のよりてやかけむとすらむ