あだし野の露吹き乱る秋風に
なびきもあへぬ女郎花かな
- 歌の意味
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あだし野の露を吹き乱す秋風に、なびききることもできないほど揺れている女郎花であることよ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 237
あだし野の露を吹き乱す激しい秋風に、なびくこともしきれずに揺れている女郎花である、と詠む歌である。はかなさを思わせるあだし野の地名とともに、風に翻弄される女郎花のかよわさを描いている。
二句の「露吹き乱る」は、本巻の第百五十七首の「白露を吹きな乱りそ秋の初風」で願ったことに反し、秋風が露を吹き乱すさまを詠んでいる。女郎花の一連から離れて置かれ、藤袴の一連の後に再び女郎花を詠んでいる。
作者の「公実」は、藤原実季の子で権大納言に至った藤原公実である。春宮大夫を兼ねた。堀河天皇の時代の歌壇で活躍した歌人である。
初句「あだし野の」は京都の嵯峨の奥の野で、はかないの意の「あだし」を含む地名として無常を思わせる。
二句「露吹き乱る」は露を吹き乱すの意で、本巻の第百五十七首の「吹きな乱りそ」と対応している。
三句「秋風に」は秋風にの意である。
四句「なびきもあへぬ」の「あふ」はしきるの意で、なびききることもできないの意となる。
結句「女郎花かな」は女郎花であることよの意で、終助詞「かな」で詠嘆している。
あだしの:京都の嵯峨の奥の野
なびく:風などに従って横に倒れるように揺れる
- 作者
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藤原公実
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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ささがにの糸のとぢめやあだならむ ほころびわたる藤袴かな
- 次の歌
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行く人を招くか野辺の花薄 今宵もここに旅寝せよとや