行く人を招くか野辺の花薄
今宵もここに旅寝せよとや
- 歌の意味
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道行く人を招いているのか、野辺の花すすきは。今夜もここで旅寝をしていけというのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 238
風になびく野辺の花すすきが、道行く旅人を手招きしているように見えるので、今夜もここで旅寝をしていけというのだろうか、と詠む歌である。風に揺れる穂を人を招く手に見立てる伝統的な趣向を、旅の心と結びつけている。
本巻の第二百三十八首と第二百三十九首は花薄、尾花の歌である。
初句「行く人を」は道を行く人をの意で、旅人を指している。
二句「招くか野辺の」は招いているのかの意で、係助詞「か」による疑問を含む。風になびく薄の穂を、人を招く手に見立てている。
三句「花薄」は穂の出た薄で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「今宵もここに」は今夜もここでの意で、「も」によって昨夜に続いての含みを示している。
結句「旅寝せよとや」は旅寝をせよというのかの意で、「とや」のあとに「言ふ」などが省略されている。
はなすすき:穂の出た薄
まねく:手招きする
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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あだし野の露吹き乱る秋風に なびきもあへぬ女郎花かな
- 次の歌
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うづら鳴く真野の入江の浜風に 尾花波寄る秋の夕暮