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音羽山紅葉散るらし逢坂の
関の小川に錦織りかく

歌の意味
音羽山では紅葉が散っているらしい。逢坂の関の小川に、錦を織りかけているのだから。
鑑賞
巻第三 秋歌 246

 逢坂の関の小川に、錦を織りかけたように紅葉が流れてくるので、上流の音羽山では紅葉が散っているらしい、と推し量る歌である。川面を流れる紅葉を錦に見立て、目の前の景から見えない山の紅葉を思いやっている。
 本巻の第二百四十三首から第二百五十三首までは紅葉の歌が続き、色づき始めた木々から、川や滝を埋めて散る紅葉までが詠まれていく。
 作者の「俊頼」は、源経信の子の源俊頼である。白河院の命により本集金葉和歌集を撰んだ。革新的な歌風で知られる。

 初句「音羽山」は山城と近江の境の山で、紅葉の名所である。
 二句「紅葉散るらし」の「らし」は根拠に基づく推定の助動詞で、紅葉が散っているらしいの意となる。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
 三句「逢坂の」は近江と山城の境の逢坂で、関があった所である。
 四句「関の小川に」は逢坂の関のあたりを流れる小川にの意である。
 結句「錦織りかく」は錦を織りかけるの意で、川面を流れる紅葉を錦に見立てている。二句の推定の根拠を示している。

にしき:色とりどりの糸で模様を織り出した織物
作者
源俊頼
出典
金葉和歌集
前の歌
大井川岩波高し筏士よ 岸の紅葉にあからめなせそ
次の歌
谷川にしがらみかけよ竜田姫 峰の紅葉に嵐吹くなり