山守よ斧の音高く響くなり
峰の紅葉はよきて切らせよ
- 歌の意味
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山守よ、斧の音が高く響いているようだ。峰の紅葉は避けて木を切らせよ。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 249
山に斧の音が高く響いているので、山守に向かって、峰の紅葉の木だけは避けて切らせよ、と呼びかける歌である。木を切る現実の営みの中で、紅葉を惜しむ心を率直な命令の形で表している。
本巻の第二百四十五首でも作者は筏師に呼びかけており、二首は命令の形で紅葉を惜しむ点で共通している。
本巻の第二百四十三首から第二百五十三首までは紅葉の歌が続き、色づき始めた木々から、川や滝を埋めて散る紅葉までが詠まれていく。
作者の「経信」は、源道方の子で大納言に至った源経信である。桂大納言と呼ばれた。晩年は大宰権帥として任地で没した。撰者源俊頼の父である。
初句「山守よ」は山の番人への呼びかけである。
二句「斧の音高く」は斧で木を切る音が高くの意で、字余りの句である。
三句「響くなり」の「なり」は音声による推定の助動詞で、響いているのが聞こえるの意である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「峰の紅葉は」は峰の紅葉の木はの意で、本巻の第二百四十七首、第二百五十首にも「峰の紅葉」が詠まれている。
結句「よきて切らせよ」の「よく」は避ける意で、避けて切らせよの意の命令である。本巻の第二百四十五首の「あからめなせそ」と同じく、命令の形で紅葉を惜しむ心を表している。
やまもり:山の番人
よく:避ける
- 作者
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源経信
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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大井川井堰の音のなかりせば 紅葉を敷ける渡りとや見む
- 次の歌
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よそに見る峰の紅葉や散り来ると 麓の里は嵐をぞ待つ