草の葉にはかなく消ゆる露をしも
形見に置きて秋の行くらむ
- 歌の意味
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草の葉の上にはかなく消える露を、よりによって形見として置いて、秋は去っていくのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 255
去っていく秋は、草の葉の上にすぐにはかなく消えてしまう露を、よりによって形見として置いていくのだろうか、と詠む歌である。秋の形見がすぐに消える露であることに、過ぎ去る秋のはかなさと惜別の情を重ねている。
「形見」の語は本巻の第二百十二首にも用いられ、そこでは月が昔の形見と詠まれている。前歌の第二百五十四首が秋霧を明日の面影として詠むのに続き、本歌は露を秋の形見として詠んでいる。
本巻の第二百五十四首から第二百五十六首までは暮れていく秋を惜しむ歌で、秋の巻を結んでいる。
初句「草の葉に」は草の葉の上にの意である。
二句「はかなく消ゆる」は、はかなく消えてしまうの意で、露のはかなさを示している。
三句「露をしも」の「しも」は強意の副助詞で、よりによって露をの意となる。
四句「形見に置きて」の「形見」は去っていくものをしのぶよすがで、「置く」は露が置く意を重ねている。本巻の第二百十二首にも「形見」の語がある。
結句「秋の行くらむ」は秋が去っていくのだろうかの意で、「らむ」は現在推量の助動詞である。
かたみ:過ぎ去ったことや人をしのぶよすがとなるもの
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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明日よりは四方の山辺の秋霧の 面影にのみ立たむとすらむ
- 次の歌
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惜しめども四方の紅葉は散り果てて 戸無瀬ぞ秋の泊りなりける