時雨つつかつ散る山の紅葉葉を
いかに吹く夜の嵐なるらむ
- 歌の意味
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時雨が降るたびに色づきながら、その一方で散っていく山の紅葉葉を、夜の嵐はいったいどのように吹いているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 258
時雨が降るたびに紅葉は色を深めるが、その一方で葉は散ってもいく。夜の間に山の紅葉をどのように吹いているのか、見えない夜の嵐を思いやる歌である。染める時雨と散らす嵐とを取り合わせ、闇の中の山の様子を想像している。
前歌の第二百五十七首が時雨に照り映える紅葉を詠んだのを受け、本歌は時雨の中で散っていく紅葉を詠んでいる。
本巻の第二百五十七首から第二百六十六首までは、時雨や紅葉など初冬の景物を詠む歌が続く。
作者の「顕季」は、藤原隆経の子で修理大夫に至った藤原顕季である。母が白河天皇の乳母であったことから院の近臣として重んじられた。和歌の家である六条藤家の祖である。
初句「時雨つつ」は時雨が降り続いての意で、接続助詞「つつ」が反復を表す。前歌の「しぐるるままに」を受けている。
二句「かつ散る山の」の「かつ」は一方では、の意で、時雨に色づきながら一方で散っていく紅葉の様子を示している。
三句「紅葉葉を」は紅葉した木の葉をの意である。
四句「いかに吹く夜の」はどのように吹く夜のの意で、目には見えない夜の嵐の吹き方を思いやっている。
結句「嵐なるらむ」は嵐なのだろうかの意で、現在推量の「らむ」で結んでいる。
しぐる:時雨が降る
もみぢば:紅葉した木の葉
- 作者
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藤原顕季
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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神無月しぐるるままに暗部山 下照るばかり紅葉しにけり
- 次の歌
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山川の水はまさらで時雨には 紅葉の色ぞ深くなりける