- 歌の意味
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大堰川の、紅葉の浮かぶ流れを渡っていく筏師は、棹に錦を掛けているように見えることだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 262
大堰川に散り浮かんだ紅葉の上を渡っていく筏師の棹に紅葉がまとわりつき、まるで棹に錦を掛けているように見える、と詠む歌である。紅葉を錦に見立てる伝統的な表現を、筏師の棹という具体的な景に生かしている。
前歌の第二百六十一首が竜田川を流れる紅葉を詠んだのに続き、本歌は山城の大堰川の紅葉を詠み、紅葉の流れる川の歌が並んでいる。
本巻の第二百五十七首から第二百六十六首までは、時雨や紅葉など初冬の景物を詠む歌が続く。
初句「大堰川」は山城の嵐山のふもとを流れる川で、紅葉の名所の歌枕である。
二句「紅葉をわたる」は紅葉の浮かぶ流れを渡るの意で、川面一面に紅葉が散り敷いているさまを示している。
三句「筏師は」は筏を操って木材を運ぶ人で、川の景に人の姿を添えている。
四句「棹に錦を」は棹に錦をの意で、棹に掛かった紅葉を錦に見立てている。次歌の第二百六十三首も紅葉を錦に見立てている。
結句「かけてこそ見れ」は掛けているように見えることだの意で、係助詞「こそ」が已然形「見れ」と係り結びをなす。
おほゐがは:山城国の嵐山のふもとを流れる川。紅葉の名所
いかだし:筏を操って木材などを運ぶ人
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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紅葉散る山は秋霧晴れせねば 竜田の川の流れをぞ見る
- 次の歌
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三室山紅葉散るらし旅人の 菅の小笠に錦織りかく