なよ竹の音にぞ袖をかづきつる
濡れぬにこそは風と知りぬれ
- 歌の意味
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なよ竹の葉の鳴る音を時雨かと思って、袖を頭にかぶったことだ。濡れないので、はじめて風だったと知ったのである。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 264
しなやかな竹の葉が鳴る音を時雨の音かと思って袖をかぶったが、少しも濡れないので、それが風の音であったと知った、と詠む歌である。竹の葉音と時雨の音との紛らわしさを、自分の振る舞いを通してとらえている。
時雨を詠む初冬の歌の中にあって、時雨そのものではなく時雨と聞き違えた風を詠む点に趣向がある。
本巻の第二百五十七首から第二百六十六首までは、時雨や紅葉など初冬の景物を詠む歌が続く。
初句「なよ竹の」は細くしなやかな竹で、その葉の鳴る音を導いている。
二句「音にぞ袖を」は音によって袖をの意で、係助詞「ぞ」が三句の連体形「つる」と係り結びをなす。
三句「かづきつる」は袖を頭にかぶったの意で、時雨と思って雨を避けようとした振る舞いを示す。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「濡れぬにこそは」は濡れないのでの意で、係助詞「こそ」が結句の已然形「ぬれ」と係り結びをなす。
結句「風と知りぬれ」は風だと知ったの意で、完了の「ぬ」の已然形で結んでいる。
なよたけ:細くしなやかな竹
かづく:頭にかぶる
- 出典
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金葉和歌集
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三室山紅葉散るらし旅人の 菅の小笠に錦織りかく
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何事にあき果てながらさを鹿の 思ひかへして妻を恋ふらむ