はし鷹の白斑に色やまがふらむ
とかへる山に霰降るらし
- 歌の意味
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はし鷹の白い斑の羽の色と、見分けがつかなくなっているだろうか。鷹が羽を生え替わらせる山に、霰が降っているらしい。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 276
鷹の羽が生え替わる山に霰が降っているらしく、はし鷹の羽の白い斑模様と霰の白さとが見分けがたくなっているだろう、と思いやる歌である。鷹狩に用いる鷹と冬の霰とを取り合わせ、白の色の紛れに趣向がある。
本巻では次歌から雪の歌が続き、その中の第二百八十一首と第二百八十二首にも「はし鷹」が詠まれている。
作者の「匡房」は、大江成衡の子で権中納言に至った大江匡房である。当代随一の学者として知られ、大宰権帥を務めたことから江帥と呼ばれた。小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「はし鷹の」は小形の鷹で、鷹狩に用いられた。
二句「白斑に色や」は白い斑模様の羽に色がの意で、係助詞「や」が三句の連体形「らむ」と係り結びをなす。
三句「まがふらむ」は見分けがつかなくなっているだろうかの意で、現在推量の「らむ」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「とかへる山に」の「とかへる」は鷹の羽が抜け替わることで、鳥屋にこもって羽を替える鷹のいる山の意となる。本巻の第二百八十二首にも「とやかへり」が詠まれている。
結句「霰降るらし」は霰が降っているらしいの意で、推定の「らし」で結んでいる。
はしたか:小形の鷹。鷹狩に用いる
しらふ:鷹の羽の白い斑模様
まがふ:入りまじって見分けがつかなくなる
とかへる:鷹の羽が抜け替わる
- 作者
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大江匡房
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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水鳥のつららの枕隙もなし うべ冴えけらし十符の菅薦
- 次の歌
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高嶺には雪降りぬらし真柴川 ほきの懸け草垂氷すがれり