岩代の結べる松に降る雪は
春も解けずやあらむとすらむ
- 歌の意味
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岩代の結び松に降る雪は、春になっても解けないままでいようとするのだろうか。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 286
岩代の結び松に降り積もった雪は、春になっても解けずにいようとするのだろうか、と思いやる歌である。結ばれた松に降る雪を、松の枝とともに結ばれて解けないものととらえ、「結ぶ」と「解く」を対応させた点に趣向がある。
岩代の結び松は、万葉集の有間皇子の「磐代の浜松が枝を引き結び真幸くあらばまた還り見む」で知られる。
本巻の第二百七十七首から第二百九十三首までは雪を詠む歌が中心で、その間の第二百八十一首から第二百八十三首には鷹狩の歌が置かれている。
初句「岩代の」は紀伊の歌枕で、結び松で知られる地である。
二句「結べる松に」は結んである松にの意で、旅の無事などを祈って松の枝を結ぶ風習による。
三句「降る雪は」は降る雪はの意である。
四句「春も解けずや」は春になっても解けないでの意で、二句の「結べる」と対応させている。係助詞「や」が結句の連体形「らむ」と係り結びをなす。
結句「あらむとすらむ」はいようとするのだろうかの意で、現在推量の「らむ」で結んでいる。
いはしろ:紀伊国の地名。結び松で知られる
むすぶ:枝などを結び合わせる
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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降る雪に杉の青葉も埋もれて しるしも見えず三輪の山もと
- 次の歌
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雪降れば弥高山の梢には まだ冬ながら花咲きにけり