神垣の御室の山に霜降れば
木綿四手かけぬ榊葉ぞなき
- 歌の意味
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神域を囲む垣のある御室の山に霜が降りると、木綿四手を掛けていない榊葉はひとつもないことだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 295
神の宿る御室の山に霜が降りると、榊の葉が白く霜に覆われて、どの榊葉にも神に捧げる木綿四手が掛けられているように見える、と詠む歌である。霜の白さを木綿四手に見立て、神域の冬の景を神事にふさわしく描いている。
前歌の第二百九十四首と同じく「榊葉」を詠み、神事にちなむ二首となっている。前歌の神楽の舞から、本歌は霜に覆われた神山の榊へと目を移している。
作者の「師時」は、左大臣源俊房の子で権中納言に至った源師時である。日記『長秋記』の記主として知られ、堀河百首の作者の一人である。
初句「神垣の」は神域を囲む垣の意で、御室にかかる枕詞である。
二句「御室の山に」は神の宿る山で、本巻の第二百六十三首の「三室山」、第二百六十六首の「三室の山」と同じ名の山である。
三句「霜降れば」は霜が降りるとの意で、確定条件を表している。
四句「木綿四手かけぬ」は木綿四手を掛けていないの意で、霜に覆われた榊葉の白さを木綿四手に見立てている。
結句「榊葉ぞなき」は榊葉はないことだの意で、係助詞「ぞ」が連体形「なき」と係り結びをなす。前歌の第二百九十四首の初句「榊葉や」を受けている。
かみがき:神域を囲む垣。「みむろ」などにかかる枕詞
みむろ:神の宿る所
ゆふしで:楮の皮の繊維で作った木綿を、榊などに垂らして神に捧げるもの
- 作者
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源師時
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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榊葉や立ち舞ふ袖の追風に なびかぬ神はあらじとぞ思ふ
- 次の歌
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繋がねど流れも行かず高瀬舟 むすぶ氷の解けぬかぎりは