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繋がねど流れも行かず高瀬舟
むすぶ氷の解けぬかぎりは

歌の意味
綱でつないでいないのに、高瀬舟は流れていくこともない。張りつめた氷が解けないうちは。
鑑賞
巻第四 冬歌 296

 綱でつないでもいないのに高瀬舟が流されていかないのは、張りつめた氷が舟を閉じ込めているからで、氷が解けない限りは動かない、と詠む歌である。氷を舟をつなぐ綱に見立て、「繋ぐ」「結ぶ」「解く」の縁ある語を連ねている。
 本巻の第二百七十一首も高瀬舟と氷を詠み、棹の音で葦間の薄い氷を知っていた。本歌では氷が舟を閉じ込めるほどに張りつめており、冬の深まりを示して対応している。

 初句「繋がねど」はつないでいないけれどもの意で、逆接の「ど」を用いる。
 二句「流れも行かず」は流れていくこともないの意である。
 三句「高瀬舟」は浅瀬を行き来する川舟で、本巻の第二百七十一首の初句と同じ語である。ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句は倒置となっている。
 四句「むすぶ氷の」は張りつめた氷のの意で、「むすぶ」は氷が張ることと、綱を結ぶことを響かせて、初句の「繋ぐ」と縁語をなす。本巻の第二百七十二首にも「むすぶ氷」が詠まれている。
 結句「解けぬかぎりは」は解けない間はの意で、「解く」も「結ぶ」の縁語である。

たかせぶね:浅瀬を行き来する底の浅い川舟
むすぶ:氷が張る
出典
金葉和歌集
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神垣の御室の山に霜降れば 木綿四手かけぬ榊葉ぞなき
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