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波枕いかに浮き寝を定むらむ
氷ますだの池の鴛鳥

歌の意味
波を枕にして、どのように浮き寝の場所を定めているのだろうか。氷が増していく益田の池の鴛鳥は。
鑑賞
巻第四 冬歌 297

 氷が日ごとに張り増していく益田の池で、鴛鳥は波を枕にどのようにして浮き寝の場所を定めているのだろう、と思いやる歌である。「ますだ」に地名の益田と氷の「増す」とを掛け、水面が狭まっていく冬の池の鳥を気づかっている。
 次歌の第二百九十八首も鴛鳥の冬の独り寝を詠み、鴛鳥の歌が二首並んでいる。

 初句「波枕」は波を枕とすることで、水上で寝ることをいう。
 二句「いかに浮き寝を」はどのように浮き寝をの意で、「浮き寝」は水に浮いたまま寝ることである。
 三句「定むらむ」は定めているのだろうかの意で、現在推量の「らむ」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句は倒置となっている。
 四句「氷ますだの」の「ますだ」は、大和の益田の池の地名と、氷が増す意とを掛けており、平仮名のままとした。
 結句「池の鴛鳥」は池の鴛鳥で、体言止めで結んでいる。次歌の第二百九十八首も鴛鳥を詠んでいる。

なみまくら:波を枕とすること。水上で寝ること
うきね:水に浮いたまま寝ること
ますだ:大和国の益田の池の地名と、氷が「増す」意を掛ける
をしどり:雌雄が仲良く連れ添うとされる水鳥
出典
金葉和歌集
前の歌
繋がねど流れも行かず高瀬舟 むすぶ氷の解けぬかぎりは
次の歌
さむしろに思ひこそやれ笹の葉に 冴ゆる霜夜の鴛の独り寝