年暮れぬとばかりをこそ聞かましか
我が身の上に積もらざりせば
- 歌の意味
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年が暮れた、とだけ聞き流していただろうに。年が我が身の上に積もらなかったならば。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 303
もし年が我が身の上に積もって老いとならないのであれば、年が暮れたということもただそれだけのこととして聞き流せるだろうに、と詠む歌である。反実仮想によって、年の暮れが老いの積み重ねとなる身の嘆きを表している。
本巻の第三百一首、前歌の第三百二首と同じく、年の暮に老いの身を嘆く歌である。
本巻の第二百九十九首から第三百四首までは、年の暮を惜しむ歌が続き、冬の巻を結んでいる。
初句「年暮れぬ」は年が暮れたの意で、完了の「ぬ」を用いる。
二句「とばかりをこそ」はとだけをの意で、係助詞「こそ」が三句の已然形「ましか」と係り結びをなす。
三句「聞かましか」は聞いていたであろうにの意で、反実仮想の「まし」の已然形である。ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句は倒置となっている。
四句「我が身の上に」は我が身の上にの意である。
結句「積もらざりせば」は積もらなかったならばの意で、「せば」と三句の「まし」が呼応して反実仮想を表している。本巻の第二百九十二首の「積もれる雪」と同じく「積もる」の語を用いている。
つもる:重なって多くなる。年を重ねる
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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いかにせむ暮れゆく年をしるべにて 身を尋ねつつ老いは来にけり
- 次の歌
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何事を待つとはなしに明け暮れて 今年も今日になりにけるかな