万代とさしてもいはじ桜花
かざさむ春し限りなければ
- 歌の意味
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万代までと限って言うことはするまい。桜の花を髪に挿して祝う春は、限りなく続くのだから。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 309
桜の花をかざして祝う春は限りなく続くのだから、万代までとあえて限って言うまい、と詠む歌である。万代という言葉さえ限りあるものとして退け、御代の永遠を祝っている。「さして」に、それと指定する意と花を挿す意とを掛け、「かざす」と縁を結んでいる。
前歌の第三百八首の八重桜に続いて桜花を詠み、本巻の第三百六首と同じく万代を詠みながら、その万代すら限りあるものとしている。
本巻の第三百五首から第三百十首までは、竹、石清水、松、桜などの景物や我が身に寄せて、千代、万代を祝う歌が続く。
初句「万代と」は万年の世までとの意で、本巻の第三百六首の初句「万代は」と同じ語を用いている。
二句「さしてもいはじ」は限って言うまいの意で、「さして」は、それと指定する意と、花を挿す意との掛詞で、平仮名のままとした。打消意志の「じ」を用いる。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「桜花」は桜の花で、前歌の第三百八首の「八重桜」を受けている。
四句「かざさむ春し」は髪に挿して飾る春はの意で、「し」は強めの副助詞である。二句の「挿す」と縁を結んでいる。
結句「限りなければ」は限りがないのでの意で、二句の理由を示している。
さす:それと指定する意と、花を髪に挿す意を掛ける
かざす:花や枝を髪や冠に挿して飾る
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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九重に久しく匂へ八重桜 のどけき春の風と知らずや
- 次の歌
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おのづから我が身さへこそ祝はるれ 誰か千代にもあはまほしさに