おのづから我が身さへこそ祝はるれ
誰か千代にもあはまほしさに
- 歌の意味
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おのずと我が身までも祝わずにはいられない。誰が千代の御代にめぐり会いたいと思わないだろうか、その会いたさのために。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 310
千代の御代にめぐり会いたいと願うあまり、御代を祝ううちに、おのずと我が身の長寿までも祝ってしまう、と詠む歌である。御代を祝う心を自分の身に引き寄せたところに趣がある。
前歌までが竹や松、桜などの景物によって御代を祝ったのに対し、本歌は我が身に目を転じている。
本巻の第三百五首から第三百十首までは、竹、石清水、松、桜などの景物や我が身に寄せて、千代、万代を祝う歌が続く。
初句「おのづから」は自然と、ひとりでにの意である。
二句「我が身さへこそ」は我が身までもの意で、係助詞「こそ」が三句の已然形「るれ」と係り結びをなす。
三句「祝はるれ」は祝わずにはいられないの意で、自発の「る」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句は倒置となっている。
四句「誰か千代にも」は誰が千代の御代にもの意で、反語の形で、誰もが千代を願うことをいう。
結句「あはまほしさに」はめぐり会いたい思いのためにの意で、希望の「まほし」を名詞化した形である。
いはふ:祝う、長寿や幸いを祈る
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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万代とさしてもいはじ桜花 かざさむ春し限りなければ
- 次の歌
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君が代は松の上葉に置く露の 積もりて四方の海となるまで