- 歌の意味
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貢ぎ物を運ぶ人夫を数えてみると、にまの里の人々は数が増えたことだ。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 318
貢ぎ物を運ぶ人夫を数えてみると、にまの里の人の数が増えていた、と詠む歌である。民の数が増えたことによって、豊かに治まる御代を祝っている。
にまの里は備中の邇磨郷で、三善清行の「意見十二箇条」には、かつて兵士二万人を出したことからその名がついたが、後には人の数がすっかり減ってしまったと記されている。本歌はその里の人の数がまた増えたと詠み、里の名の「にま」に二万の数を掛けている。
本巻の第三百十五首から第三百十九首までは、鼓の山、朝日の里、をことの里、にまの里など、地名を詠み込んで治まる御代を祝う歌が続く。地名を詠み込んで御代を祝う形は、大嘗会の悠紀方、主基方の歌に多く見られるものである。
初句「調物」は朝廷に納める貢ぎ物の意である。
二句「運ぶよほろを」は貢ぎ物を運ぶ人夫をの意である。
三句「数ふれば」は数えてみるとの意で、已然形に「ば」を付けた確定条件である。
四句「にまの里人」は備中の邇磨郷の人々で、「にま」に二万の数を掛け、平仮名のままとした。
結句「数添ひにけり」は数が増えたことだの意で、詠嘆の「けり」で結んでいる。三句の「数ふれば」と「数」の語を重ねている。
みつぎもの:朝廷に納める貢ぎ物
よほろ:課役のために徴発された成年の男子。人夫
にま:備中国の邇磨郷の地名に、「二万」の数を掛ける
かずそふ:数が増える
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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松風のをことの里に通ふにぞ 治まれる世の声は聞こゆる
- 次の歌
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苗代の水はいなゐにまかせたり 民安げなる君が御代かな