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いかばかり神も嬉しとみかさ山
二葉の松の千代のけしきを

歌の意味
どれほど神もうれしいとご覧になることだろう。三笠山の、芽生えたばかりの二葉の松が千代を経るであろうそのありさまを。
鑑賞
巻第五 賀歌 322

 芽生えたばかりの二葉の松が千代を経るであろうありさまを、三笠山の神もどれほどうれしいとご覧になることか、と詠む歌である。「みかさ」に「見」と三笠山を掛けている。三笠山のふもとには藤原氏の氏神である春日社があり、二葉の松は幼い人の行く末をたとえて詠まれることが多いので、藤原氏の幼い人の将来を祝う歌と読める。
 本巻の第三百二十二首から第三百二十六首までは、三笠山、天児屋根命、藤波など、藤原氏にゆかりのある語を交えながら、千代、万代を祝う歌が続く。
 作者の「周防内侍」は、周防守平棟仲の娘で、名を仲子という。後冷泉、後三条、白河、堀河の四代の天皇に仕えた女房である。小倉百人一首にも歌が採られている。

 初句「いかばかり」はどれほどの意で、神の喜びの深さを推し量っている。
 二句「神も嬉しと」は神もうれしいとの意で、三笠山の春日の神を指している。
 三句「みかさ山」の「みかさ」は、「見」と大和の歌枕の三笠山とを掛けており、平仮名のままとした。ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句は倒置となっている。本巻の第三百二十五首にも三笠山が詠まれている。
 四句「二葉の松の」は芽生えたばかりの二葉の松のの意で、幼い人をたとえている。
 結句「千代のけしきを」は千年を経るであろうありさまをの意で、三句の「見」の対象を倒置して示している。

みかさやま:「見」の意と、大和国の歌枕「三笠山」を掛ける。ふもとに春日社がある
ふたば:芽生えたばかりの二枚の葉。幼い者のたとえ
けしき:ありさま、様子
作者
周防内侍
出典
金葉和歌集
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