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君が代は幾万代か重ぬべき
いつぬき川の鶴の毛衣

歌の意味
君の御代は、いく万代を重ねることだろう。いつぬき川に住む鶴の毛衣を重ねるように。
鑑賞
巻第五 賀歌 323

 いつぬき川に住む鶴の羽を衣に見立て、衣を重ねるように、君の御代はいく万代を重ねることだろう、と詠む歌である。千年の齢を保つとされる鶴を詠み込み、「重ぬ」「ぬき」「毛衣」と衣にかかわる語を連ねて御代の久しさを祝っている。
 本巻の第三百二十二首から第三百二十六首までは、三笠山、天児屋根命、藤波など、藤原氏にゆかりのある語を交えながら、千代、万代を祝う歌が続く。

 初句「君が代は」は君の御代はの意で、本巻の第三百十一首、第三百十三首と同じ初句である。
 二句「幾万代か」はいく万代をの意で、係助詞「か」が三句の連体形「べき」と係り結びをなす。
 三句「重ぬべき」は重ねることだろうかの意で、推量の「べし」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句は倒置となっている。
 四句「いつぬき川の」は川の名で、「ぬき」に織物の横糸の意の「緯」を響かせ、三句の「重ぬ」、結句の「毛衣」と縁語をなしている。
 結句「鶴の毛衣」は鶴の羽毛を衣に見立てた語で、体言止めで結んでいる。千年の齢を保つとされる鶴によって御代の久しさを示している。

いつぬきがは:川の名。「ぬき」に横糸の意の「緯」を響かせる
けごろも:鳥の羽毛を衣に見立てた語
出典
金葉和歌集
前の歌
いかばかり神も嬉しとみかさ山 二葉の松の千代のけしきを
次の歌
君が代は天児屋根の命より 祝ひぞそめし久しかれとは