藤波は君が千歳をまつにこそ
かけて久しく見るべかりけれ
- 歌の意味
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藤の花は、君の千年の御代を待つという松にこそ掛かって、久しく見るべきものであったのだ。
- 鑑賞
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巻第五 賀歌 326
波のように揺れる藤の花は、君の千年の御代を待つ松にこそ掛かって、久しく見るべきものであった、と詠む歌である。「まつ」に待つと松を掛け、松にまつわる藤の姿に、御代を待ち望む心と久しさを重ねている。
本巻の第三百二十一首と二句「君が千歳を」が同じで、「まつ」の掛詞も共通している。
本巻の第三百二十二首から第三百二十六首までは、三笠山、天児屋根命、藤波など、藤原氏にゆかりのある語を交えながら、千代、万代を祝う歌が続く。
初句「藤波は」は波のように揺れる藤の花はの意である。
二句「君が千歳を」は君の千年の御代をの意で、本巻の第三百二十一首と同じ句である。
三句「まつにこそ」の「まつ」は、待つ意と松とを掛けており、平仮名のままとした。本巻の第三百二十一首の「まつなれば」と同じ掛詞である。係助詞「こそ」が結句の已然形「けれ」と係り結びをなす。
四句「かけて久しく」は松に掛かって久しくの意で、「かけて」は藤が松に掛かる意と、心にかける意との掛詞で、平仮名のままとした。
結句「見るべかりけれ」は見るべきものであったのだの意で、当然の「べし」に詠嘆の「けり」を添えている。
ふぢなみ:藤の花房が風に揺れるさまを波にたとえた語
まつ:「待つ」意と、「松」を掛ける
かく:藤が松に掛かる意と、心に掛ける意を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
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君が代は限りもあらじ三笠山 峰に朝日のささむ限りは
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君が代は富の小川の水澄みて 千歳を経とも絶えじとぞ思ふ