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積もるべし雪積もるべし君が代は
松の花咲く千たび見るまで

歌の意味
積もるがよい、雪よ積もるがよい。君の御代は、松の花が咲くのを千度見るまで続くのだから。
鑑賞
巻第五 賀歌 330

 雪よ積もれ、と繰り返して呼びかけ、君の御代は、めったに咲かないとされる松の花を千度見るまで続くだろう、と詠む歌である。「積もるべし」を重ねた力強い調べで、豊年のしるしである雪と、限りない御代とを祝っている。
 前歌の第三百二十九首の「雪積もる」「松の花咲く」を受けている。
 本巻の第三百二十九首から第三百三十二首までは、雪と松を中心に、限りない御代を祝う歌が続く。

 初句「積もるべし」は積もるがよいの意で、命令に近い「べし」を用いて雪に呼びかけている。
 二句「雪積もるべし」は雪よ積もるがよいの意で、初句の「積もるべし」を重ねて調子を強めている。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
 三句「君が代は」は君の御代はの意で、本巻に多い初句の形を三句に置いている。
 四句「松の花咲く」は松の花が咲くの意で、前歌の第三百二十九首の結句「花咲くぞ見る」を受けている。
 結句「千たび見るまで」は千度見るまでの意で、本巻の第三百十一首の「海となるまで」、第三百十四首の「千代の春まで」と同じく「まで」で御代の続く限りを示している。

ちたび:千度
出典
金葉和歌集
前の歌
雪積もる年のしるしにいとどしく 千歳の松の花咲くぞ見る
次の歌
長浜の真砂の数も何ならず 尽きせず見ゆる君が御代かな