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万代のためしと見ゆる松の上に
雪さへ積もる年にもあるかな

歌の意味
万代の手本と見える松の上に、さらに雪までも積もる年であることだ。
鑑賞
巻第五 賀歌 332

 万代の長寿の手本と見える松の上に、豊年のしるしである雪までも積もる、まことにめでたい年であることだ、と詠む歌である。長寿の松と瑞兆の雪とを重ねて、めでたさの重なる年を祝っている。
 巻頭の第三百五首の「流れての世のためしなりけり」と同じく「ためし」の語を用い、巻頭と呼応している。本巻の第三百二十九首、第三百三十首に続いて雪と松を取り合わせている。
 本巻の第三百二十九首から第三百三十二首までは、雪と松を中心に、限りない御代を祝う歌が続く。

 初句「万代の」は万年の世のの意である。
 二句「ためしと見ゆる」は手本と見えるの意で、巻頭の第三百五首の結句「ためしなりけり」と呼応している。
 三句「松の上に」は松の上にの意である。
 四句「雪さへ積もる」は雪までも積もるの意で、副助詞「さへ」が添加を表し、松の長寿に雪の瑞兆を加えている。本巻の第三百二十九首、第三百三十首の「雪積もる」を受けている。
 結句「年にもあるかな」は年であることだの意で、終助詞「かな」で詠嘆している。

ためし:先例、手本
出典
金葉和歌集
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長浜の真砂の数も何ならず 尽きせず見ゆる君が御代かな
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曇りなく豊栄昇る朝日には 君ぞ仕へむ万代までに