別れ路をげにいかばかり嘆くらむ
聞く人さへぞ袖は濡れける
- 歌の意味
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別れの道を、ほんとうにどれほど嘆いていることだろう。話に聞くだけの人までも、袖が涙で濡れたことだ。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 339
別れて旅立った人は、その道中でほんとうにどれほど嘆いていることだろうか、その話を聞くだけの者までも涙で袖が濡れたことだ、と詠む歌である。旅人の嘆きを思いやり、聞く側の涙によって同情の深さを表している。
伝本の中には、作者を上東門院とし、「これは御覧じて、かたはらに書きつけさせ給ひける」の詞書を持つものがある。前歌の第三百三十八首が上東門院に仕える女房のもとへ届けられたのを、上東門院がご覧になって、その傍らに書き添えた歌ということになる。
本巻の第三百三十八首と第三百三十九首は、旅先から届いた歌と、それを見た人の歌とが組になっている。
初句「別れ路を」は別れて旅立つ道をの意である。
二句「げにいかばかり」はほんとうにどれほどの意で、「げに」は前歌の嘆きをもっともだと受けとめる気持ちを表している。
三句「嘆くらむ」は嘆いていることだろうの意で、現在推量の「らむ」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「聞く人さへぞ」は話に聞く人までもの意で、副助詞「さへ」が添加を表す。係助詞「ぞ」が結句の連体形「ける」と係り結びをなす。
結句「袖は濡れける」は袖が濡れたことだの意で、前歌の第三百三十八首の「袖」「涙」を受けている。
わかれぢ:別れて旅立つ道
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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片敷きの袖にひとりは明かせども 落つる涙ぞ夜を重ねける
- 次の歌
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はるかなる旅の空にも後れねば 羨ましきは秋の夜の月