はるかなる旅の空にも後れねば
羨ましきは秋の夜の月
- 歌の意味
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遥かな旅の空にも後れずについていくので、うらやましいのは秋の夜の月である。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 340
遠い旅の空にも後れずについていけるのだから、うらやましいのは秋の夜の月である、と詠む歌である。どこまでも旅人に付き従う月をうらやむことで、自分はついていけない別れのつらさを表している。
伝本の中には、作者を源為成とし、「源公定大隅守にて下りける時、月の明かかりけること、別れを惜しみて」の詞書を持つものがある。大隅守となった源公定が任国へ下る折、明るい月に寄せて別れを惜しんだ歌ということになる。
本巻の第三百三十七首が、後に残されて旅人を思いやる歌であったのに対し、本歌は旅人に後れない月をうらやんでいる。
初句「はるかなる」は遠く隔たったの意である。
二句「旅の空にも」は旅先の空にもの意で、遠い任国への道中を思わせる。
三句「後れねば」は後れないのでの意で、打消の「ず」の已然形に「ば」を付けた確定条件である。本巻の第三百三十七首の初句「後れ居て」と対照をなしている。
四句「羨ましきは」はうらやましいのはの意である。
結句「秋の夜の月」は秋の夜の月で、体言止めで結んでいる。本巻の第三百四十八首の「傾く月」にも月が詠まれている。
おくる:後に残される、取り残される
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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別れ路をげにいかばかり嘆くらむ 聞く人さへぞ袖は濡れける
- 次の歌
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沖つ島雲居の岸を行き帰り 文通はさむ幻もがな