- 歌の意味
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昇ってくる朝日を見てはあなたを思い出そう。あなたも西へ傾く月を見ては、私を忘れないでほしい。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 348
昇る朝日を見てはあなたを思い出そう、あなたは傾く月を見て私を忘れないでほしい、と詠む歌である。昇る朝日と傾く月、思い出す我と忘れるなと願う君とを対にして、離れていても互いに思い合おうとする心を表している。
伝本の中には、作者を権中納言通俊とし、「経平大弐にて下る時、具してまかりける日、公実のもとへつかはしける」の詞書を持つものがある。藤原通俊が大宰大弐となった父藤原経平に伴って下る日に、藤原公実へ贈った歌ということになり、東から昇る朝日と西へ傾く月が、都と西の任地とを示すことになる。
作者の「小弁」は、後朱雀天皇の皇女祐子内親王に仕えた女房である。歌人の祐子内親王家紀伊の母とされる。
初句「さし昇る」は昇ってくるの意で、四句の「傾く」と対をなしている。
二句「朝日に君を」は朝日を見てあなたをの意で、四句の「月に」、結句の「我を」と対をなしている。
三句「思ひ出でむ」は思い出そうの意で、意志の「む」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「傾く月に」は西に傾く月を見てはの意で、本巻の第三百四十首の「秋の夜の月」にも月が詠まれている。
結句「我を忘るな」は私を忘れないでほしいの意で、禁止の終助詞「な」を用いる。本巻の第三百四十四首の結句「情け忘るな」と同じく「忘るな」で結んでいる。
かたぶく:日や月が西に沈みかかる
- 作者
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祐子内親王家小弁
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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恋しさはその人数にあらずとも 都を偲ぶうちに入れなむ
- 次の歌
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我ひとり急ぐと思ひし東路に 垣根の梅はさきだちにけり