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逢ふまでは思ひもよらず夏引きの
いとほしとだに言ふと聞かばや

歌の意味
逢うことまでは思いも寄らない。夏に引く糸ではないが、せめて「いとおしい」とだけでも、あの人が言っていると聞きたいものだ。
鑑賞
巻第七 恋歌上 355

 逢うことまでは望みもしないが、せめて気の毒だとあの人が言っていると聞きたい、と詠む歌である。望みをぎりぎりまで小さくすることで、かえって思いの深さを表している。
 伝本の中には、作者を源雅光とし、「女のもとにつかはしける」の詞書を持つものがある。

 初句「逢ふまでは」は逢うことまではの意である。
 二句「思ひもよらず」は思いも寄らないの意で、逢うことは望んでいないことを示している。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
 三句「夏引きの」は夏に繭から糸を引く意で、「糸」から同音の「いと」を導く序となっている。
 四句「いとほしとだに」の「いと」は、夏引きの「糸」と、「いとほし」の「いと」とを掛けており、平仮名のままとした。「いとほし」は気の毒だの意で、副助詞「だに」はせめて〜だけでもの意を表す。
 結句「言ふと聞かばや」は言っていると聞きたいの意で、願望の終助詞「ばや」を用いる。

なつびき:夏に繭から糸を引くこと
いと:夏引きの「糸」と、「いとほし」の「いと」を掛ける
出典
金葉和歌集
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逢ふと見て現のかひはなけれども はかなき夢ぞ命なりける
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今はただ寝られぬいをぞ友とする 恋しき人のゆかりと思へば