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今はただ寝られぬいをぞ友とする
恋しき人のゆかりと思へば

歌の意味
今はただ、眠ることのできない夜の眠りを友としている。これも恋しい人につながるものだと思うので。
鑑賞
巻第七 恋歌上 356

 恋しい人を思って眠れない夜が続くが、その眠れなさも恋しい人ゆえのものだと思えば、今はそれを友としている、と詠む歌である。苦しみさえも恋しい人とのつながりとして慈しむ心を表している。
 伝本の中には、作者を宣源法師とするものがある。

 初句「今はただ」は今はひたすらの意である。
 二句「寝られぬいをぞ」は眠ることのできない眠りをの意で、「い」は眠りを表す名詞である。係助詞「ぞ」が三句の連体形「する」と係り結びをなす。
 三句「友とする」は友としているの意で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。下の句と倒置になっている。
 四句「恋しき人の」は恋しい人のの意である。本巻の第三百六十九首の二句も「恋しき人の」である。
 結句「ゆかりと思へば」はゆかりのものと思うのでの意で、已然形に「ば」を付けた確定条件である。

い:眠り
ゆかり:つながり、縁
出典
金葉和歌集
前の歌
逢ふまでは思ひもよらず夏引きの いとほしとだに言ふと聞かばや
次の歌
思ひやれ須磨のうらみて寝たる夜の 片敷く袖にかかる涙を