思ひやれ須磨のうらみて寝たる夜の
片敷く袖にかかる涙を
- 歌の意味
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思いやってほしい。須磨の浦を見ながら、あなたを恨んで寝た夜に、ひとり敷いた袖にこぼれかかる涙を。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 357
須磨の浦を見ながら、つれないあなたを恨んでひとり寝た夜、片敷きの袖にこぼれかかる涙を思いやってほしい、と詠む歌である。須磨の浦の波と涙とを重ね、ひとり寝のわびしさを訴えている。
伝本の中には、作者を藤原長実とするものがある。
作者の「仲正」は、源頼綱の子で、源頼政の父にあたる源仲正である。堀河天皇の時代から歌人として活動した。
初句「思ひやれ」は思いやってほしいの意で、命令形で相手に呼びかけている。ここで句切れとなる初句切れの歌で、倒置により結句の「涙を」へと続く。本巻の第四百六首の初句も「思ひやれ」で、袖の涙を思いやってほしいと訴えている。
二句「須磨のうらみて」の「うらみ」は、須磨の浦を見る意の「浦見」と、「恨み」とを掛けており、平仮名のままとした。須磨は摂津の歌枕である。
三句「寝たる夜の」は寝た夜のの意である。
四句「片敷く袖に」は自分の衣の袖だけを敷いての意で、ひとり寝を表している。
結句「かかる涙を」はこぼれかかる涙をの意で、須磨の浦の縁で、波がかかることを響かせている。
うらみ:須磨の浦を見る意の「浦見」と、「恨み」を掛ける
かたしく:自分の衣の袖だけを敷いて寝る。ひとり寝をいう
- 作者
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源仲正
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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今はただ寝られぬいをぞ友とする 恋しき人のゆかりと思へば
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朝寝髪誰が手枕にたはつけて 今朝は形見と振り越して見る