水鳥の羽風に騒ぐさざ波の
あやしきまでも濡るる袖かな
- 歌の意味
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水鳥の羽ばたきの風に立ち騒ぐさざ波の綾ではないが、不思議なほどにまで涙に濡れる袖であることだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 364
水鳥の羽風に立ち騒ぐさざ波を序として、不思議なほどに涙で袖が濡れることを詠む歌である。水辺の景に、人知れず乱れる恋の心と涙を重ねている。
伝本の中には、作者を源師俊とし、「寄水鳥恋といへることをよめる」の詞書を持つものがある。水鳥に寄せる恋の題で詠んだ歌ということになる。
初句「水鳥の」は水に浮かぶ鳥のの意である。本巻の第三百九十一首の「をし」も水鳥である。
二句「羽風に騒ぐ」は羽ばたきの風に立ち騒ぐの意で、恋に騒ぐ心を重ねている。
三句「さざ波の」は細かく立つ波のの意で、波の模様をいう「あや」から四句の「あやしき」を導いている。初句から三句までが序詞である。
四句「あやしきまでも」は不思議なほどまでもの意で、「あや」にさざ波の模様を響かせている。本巻の第三百六十七首の「あやしや」も同じく「あや」を響かせている。
結句「濡るる袖かな」は濡れる袖であることだの意で、終助詞「かな」で詠嘆している。巻頭の第三百五十首の「袖のみ濡れて」と同じく、恋の涙に濡れる袖を詠んでいる。
はかぜ:鳥が羽ばたいて起こす風
あや:波などの模様。織物の綾
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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七夕はまた来む秋も頼むらむ 逢ふ夜も知らぬ身をいかにせむ
- 次の歌
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夢にだに逢ふとは見えよさもこそは 現につらき心なりとも