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眺むれば恋しき人の恋しきに
曇らば曇れ秋の夜の月

歌の意味
眺めていると恋しい人がいっそう恋しくなるので、曇るならば曇ってしまえ、秋の夜の月よ。
鑑賞
巻第七 恋歌上 369

 秋の夜の月を眺めていると、恋しい人がますます恋しくなってしまうので、いっそ曇るなら曇ってしまえ、と月に呼びかける歌である。美しい月を拒むという逆説によって、恋しさの強さを表している。
 伝本の中には、作者を藤原基光とし、「月前恋といへる事をよめる」の詞書を持つものがある。月の前の恋の題で詠んだ歌ということになる。
 本巻の第三百七十一首、第四百十四首も、月を恋に寄せて詠んでいる。

 初句「眺むれば」は眺めているとの意で、已然形に「ば」を付けた確定条件である。
 二句「恋しき人の」は恋しい人がの意である。本巻の第三百五十六首の四句と同じ句である。
 三句「恋しきに」は恋しいのでの意で、二句に続けて「恋しき」を重ね、思いの募るさまを表している。
 四句「曇らば曇れ」は曇るならば曇れの意で、同じ動詞を重ねて強い気持ちを示している。
 結句「秋の夜の月」は呼びかける対象を体言止めで示している。

ながむ:物思いにふけりながら眺める
出典
金葉和歌集
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谷川の上は木の葉に埋もれて したになかると人知るらめや
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