つらしともおろかなるにぞ言はれける
いかに恨むと人に知らせむ
- 歌の意味
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「つらい」と言えたのも、思いがまだ浅かったからだったのだ。今はどれほど恨んでいると、あの人に知らせたらよいのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 370
「つらい」などと言えたのは、まだ思いが浅かったからだ。思いが深まった今は言葉にもできず、どのようにして恨みをあの人に知らせればよいのか、と嘆く歌である。言葉で言い尽くせない恨みの深さを、逆説的に表している。
伝本の中には、「題しらず」とするものがある。
初句「つらしとも」はつらいなどともの意である。
二句「おろかなるにぞ」は思いがいいかげんであったからこそ、すなわち思いが浅かったからこその意で、係助詞「ぞ」が三句の連体形「ける」と係り結びをなす。
三句「言はれける」は言うことができたのだったの意で、可能の「る」に詠嘆の「けり」を添えている。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「いかに恨むと」はどれほど恨んでいるとの意である。本巻の第三百九十一首、第三百九十二首、第三百九十五首も恨みを詠んでいる。
結句「人に知らせむ」はあの人に知らせようかの意で、四句の「いかに」を受けて、どうすれば知らせられるかと思い悩んでいる。
うらむ:相手のつれなさを恨めしく思う
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
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眺むれば恋しき人の恋しきに 曇らば曇れ秋の夜の月
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面影は数ならぬ身に恋ひられて 雲居の月を誰と見るらむ