面影は数ならぬ身に恋ひられて
雲居の月を誰と見るらむ
- 歌の意味
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あなたの面影は、取るに足りない私に恋い慕われている。そのあなたは今ごろ、雲の上の月を誰と見ているのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 371
取るに足りない身の自分はあなたの面影を恋い慕っているのに、あなたは雲居の月を誰と一緒に眺めているのだろうか、と思いやる歌である。手の届かない相手を雲居の月に重ね、届かない思いと妬ましさを表している。
伝本の中には、作者を藤原知房とし、月の明るい夜に言い贈ったとする詞書を持つものがある。
本巻の第三百八十四首の二句も「数ならぬ身に」で、取るに足りない身の恋を詠んでいる。
初句「面影は」は心に思い浮かぶ姿はの意である。
二句「数ならぬ身に」は取るに足りない我が身にの意である。本巻の第三百八十四首の二句と同じ句である。
三句「恋ひられて」は恋い慕われての意で、受身の「らる」を用いている。
四句「雲居の月を」は雲の上の月をの意で、宮中を雲居ということから、相手が高い身分にあることを思わせる。本巻の第三百六十九首の「秋の夜の月」も恋に寄せて月を詠んでいる。
結句「誰と見るらむ」は誰と見ているのだろうかの意で、現在推量の「らむ」を用いている。
おもかげ:心に思い浮かぶ姿
くもゐ:雲のある遥かな所。宮中をいう
- 出典
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金葉和歌集
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つらしともおろかなるにぞ言はれける いかに恨むと人に知らせむ
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あさましやなどかき絶ゆる藻塩草 さこそは海人のすさびなりとも