年経れど人もすさべぬ我が恋や
くちきの杣の谷の埋もれ木
- 歌の意味
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年月がたっても、あの人が心を寄せてもくれない私の恋は、朽木の杣山の谷に埋もれた木のようなものなのだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 383
年月を経ても相手に顧みられることのない自分の恋は、朽木の杣山の谷に朽ちて埋もれている木のようなものだ、と嘆く歌である。人に知られずに朽ちていく埋もれ木に、報われない恋を重ねている。
伝本の中には、「恋の心をよめる」の詞書を持つものがある。
作者の「顕輔」は、六条藤家の祖藤原顕季の子で、左京大夫に至った藤原顕輔である。崇徳院の命を受けて詞花和歌集を撰進した。
初句「年経れど」は年月がたってもの意で、逆接の「ど」を用いる。
二句「人もすさべぬ」はあの人も心を寄せて慰みとしないの意で、相手に顧みられないことをいう。
三句「我が恋や」は私の恋はの意で、係助詞「や」で問いかけている。
四句「くちきの杣の」の「くちき」は、近江の地名の「朽木」と、朽ちた木の意とを掛けており、平仮名のままとした。「杣」は材木を切り出す山である。
結句「谷の埋もれ木」は谷に埋もれて朽ちている木で、体言止めで結んでいる。前歌の第三百八十二首の「谷の下水」と同じく谷を詠み、本巻の第三百六十八首の「埋もれて」とも対応している。
すさぶ:心を寄せて慰みとする
くちき:近江の地名の「朽木」と、朽ちた木の意を掛ける
そま:材木を切り出す山
うもれぎ:土や水に埋もれた木。世に知られないもののたとえ
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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思ひあまりいかで漏らさむ小野山の 岩垣込むる谷の下水
- 次の歌
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いかにせむ数ならぬ身に従はで つつむ袖より余る涙を