いかにせむ数ならぬ身に従はで
つつむ袖より余る涙を
- 歌の意味
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どうしたらよいのだろう。取るに足りない身のほどにも従わず、包み隠す袖からあふれ出る涙を。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 384
取るに足りない身の自分には恋など分不相応だと思って隠そうとしても、その身のほどにも従わずに袖からあふれてしまう涙をどうしたらよいのか、と嘆く歌である。身分違いの恋を抑えきれない思いを表している。
伝本の中には、「あるまじき人を思ひかけてよめる」の詞書を持つものがある。思いを寄せてはならない人に思いを掛けて詠んだ歌ということになる。
初句「いかにせむ」はどうしたらよいだろうの意で、ここで句切れとなる初句切れの歌である。倒置により結句の「涙を」へと続く。
二句「数ならぬ身に」は取るに足りない我が身にの意で、本巻の第三百七十一首の二句と同じ句である。
三句「従はで」は従わないでの意で、打消の接続助詞「で」を用いる。涙が身のほどをわきまえずにあふれることをいう。
四句「つつむ袖より」は包み隠す袖からの意である。本巻の第三百七十六首の「人目つつみ」と同じく、人目を包み隠す心を詠んでいる。
結句「余る涙を」はあふれる涙をの意である。
つつむ:人目を避けて包み隠す
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
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年経れど人もすさべぬ我が恋や くちきの杣の谷の埋もれ木
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夜もすがら草の枕に置く露は ふるさと恋ふる涙なりけり