荒かりし風の後より絶えぬるは
蜘蛛手にすがく糸にやあるらむ
- 歌の意味
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激しかった風の吹いた後から絶えてしまったのは、蜘蛛が手足を広げるようにかける巣の糸のような、はかない仲であったからだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 386
激しい風が吹いた後から便りが絶えてしまったのは、二人の仲が、蜘蛛が四方に張り渡す糸のようにもろいものだったからだろうか、と詠む歌である。風に吹き切られる蜘蛛の糸に、途絶えた恋の仲を重ねている。
伝本の中には、その後また音沙汰がなかったので贈った、とする詞書を持つものがある。
本巻の第三百五十一首の「ささがに」、第四百四首の「ささがにの」と同じく、蜘蛛を詠んでいる。
作者の「相模」は、相模守大江公資の妻であったことから相模と呼ばれた女房歌人である。脩子内親王に仕え、小倉百人一首にも歌が採られている。
初句「荒かりし」は激しかったの意で、過去の「き」の連体形を用いる。
二句「風の後より」は風が吹いた後からの意である。
三句「絶えぬるは」は途絶えてしまったのはの意で、相手の便りや訪れが絶えたことをいう。本巻の第四百四首の「かき絶えて」も途絶えた仲を詠んでいる。
四句「蜘蛛手にすがく」は蜘蛛が四方に手足を広げるように巣をかけるの意である。本巻の第三百五十一首の二句「上葉にすがく」と同じく「すがく」を用いている。
結句「糸にやあるらむ」は糸なのだろうかの意で、係助詞「や」が現在推量の「らむ」の連体形と係り結びをなす。
くもで:蜘蛛の足のように四方に広がるさま
すがく:蜘蛛が巣をかける
- 作者
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相模
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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夜もすがら草の枕に置く露は ふるさと恋ふる涙なりけり
- 次の歌
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夜とともに玉散る床の菅枕 見せばや人に夜半のけしきを