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夜とともに玉散る床の菅枕
見せばや人に夜半のけしきを

歌の意味
夜ごとに玉のような涙が散る寝床の菅の枕よ。あの人に見せたいものだ、この夜半のありさまを。
鑑賞
巻第七 恋歌上 387

 夜ごとに玉のような涙が散りかかる寝床の菅枕、その夜半のありさまをあの人に見せたいものだ、と詠む歌である。ひとり寝の床で流す涙の多さを、玉が散ると美しく表している。
 伝本の中には、「国信卿の家の歌合に夜恋の心をよめる」の詞書を持つものがある。源国信の家の歌合で、夜の恋の題で詠んだ歌ということになる。
 作者の「俊頼」は、大納言源経信の子で、白河院の命を受けて本集を撰進した源俊頼である。

 初句「夜とともに」は夜ごとにの意で、本巻の第三百七十四首の三句「よとともに」と同じ句である。
 二句「玉散る床の」は玉のような涙が散る寝床のの意である。本巻の第四百五首の「玉ぬきかくる」も涙を玉に見立てている。
 三句「菅枕」は菅で編んだ枕で、呼びかけの形となっている。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
 四句「見せばや人に」はあの人に見せたいの意で、願望の終助詞「ばや」を用い、倒置により結句へと続いている。本巻の第四百五首の初句「見せばやな」と同じく、涙のさまを相手に見せたいと詠んでいる。
 結句「夜半のけしきを」は夜中のありさまをの意である。本巻の第四百五首の結句「旅のけしきを」と同じ形で結んでいる。

すがまくら:菅で編んだ枕
たま:玉。涙のたとえ
よは:夜中
作者
源俊頼
出典
金葉和歌集
前の歌
荒かりし風の後より絶えぬるは 蜘蛛手にすがく糸にやあるらむ
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あやめにもあらぬ真菰を引きかけし かりのよどのの忘られぬかな