秋風に吹き返されて葛の葉の
いかにうらみしものとかは知る
- 歌の意味
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秋風に吹き返されて裏を見せる葛の葉のように、私がどれほど恨めしく思ったか、あなたは知っているだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 392
秋風に吹き返されて白い裏を見せる葛の葉のように、自分がどれほど恨めしく思ったことか、あなたにはわかるまい、と詠む歌である。葛の葉の「裏見」に「恨み」を掛ける趣向で、相手のつれなさへの恨みを表している。
伝本の中には、作者を藤原正家とするものがある。
古今和歌集に、秋風が吹き裏返す葛の葉に寄せて恨みを詠んだ平貞文の歌があり、葛の葉に恨みを寄せる趣向は古くから見える。
初句「秋風に」は秋風によっての意で、秋に「飽き」を響かせ、相手の心変わりを暗示している。
二句「吹き返されて」は吹き返されての意で、葛の葉が裏返るさまをいう。
三句「葛の葉の」は葛の葉のの意で、初句から三句までが、葉の裏を見せる意の「うらみ」を導く序となっている。
四句「いかにうらみし」の「うらみ」は、葛の葉の「裏見」と「恨み」とを掛けており、平仮名のままとした。本巻の第三百五十七首の「須磨のうらみて」も同じ掛詞である。
結句「ものとかは知る」はものと知っているだろうかの意で、係助詞「かは」による反語であり、知るまいの意を表す。
くず:葛。秋風に葉が裏返って白く見える
うらみ:葛の葉の「裏見」と、「恨み」を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
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池に住む我が名ををしの取り返す ものにもがなや人を恨みじ
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従へば身をば捨ててむ心にも かなはでとまる名こそ惜しけれ