島風にしば立つ波のやちかへり
うらみてもなほ頼まるるかな
- 歌の意味
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島に吹く風にしきりに立つ波が幾度も寄せ返すように、何度も恨んでも、やはりあの人を頼みにしてしまうことだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 395
島風にしきりに立つ波が何度も浦に寄せ返すように、幾度恨んでも、やはり相手を頼みにしてしまう、と詠む歌である。繰り返し寄せる波に、恨みながらも思い切れない恋心を重ねている。
伝本の中には、作者を藤原惟規とし、「人を恨みてつかはしける」の詞書を持つものがある。
本巻の第三百七十首、第三百九十一首、第三百九十二首も恨みを詠んでいる。
初句「島風に」は島に吹く風にの意である。
二句「しば立つ波の」はしきりに立つ波のの意で、「しば」はたびたびの意である。
三句「やちかへり」は幾度も繰り返しての意で、波が寄せ返すさまと、何度も恨むこととを重ねている。初句から三句までが序となっている。
四句「うらみてもなほ」の「うらみ」は、波の寄せる浦を見る意の「浦見」と、「恨み」とを掛けており、平仮名のままとした。本巻の第三百五十七首、第三百九十二首、第四百九首にも同じ掛詞が見える。
結句「頼まるるかな」は頼みにしてしまうことだの意で、自発の「る」に終助詞「かな」を添えている。
しまかぜ:島に吹く風
やちかへり:幾度も繰り返すこと
うらみ:浦を見る意の「浦見」と、「恨み」を掛ける
- 出典
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金葉和歌集
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つつめども涙の雨のしるければ 恋する名をもふらしつるかな
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あさましや逢ふ瀬も知らぬなとり川 まだきに岩間漏らすべしやは