ひとよとはいつか契りし川竹の
流れてとこそ思ひ初めしか
- 歌の意味
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一夜限りなどと、いつ約束しただろうか。川竹が流れに沿うように、長く続く仲だと思って恋し始めたのに。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 397
一夜限りの仲などと、いつ約束しただろうか、川竹が流れに沿うように、長く続く仲と思って恋し始めたのに、と相手の心変わりをなじる歌である。「ひとよ」に一夜と竹の一節を掛け、川竹の縁で長く続く思いを表している。
伝本の中には、作者を藤原経忠とし、「逢不遇恋といへる事をよめる」の詞書を持つものがある。一度逢った後に逢えなくなった恋の題で詠んだ歌ということになる。
本巻の第四百首、第四百三首にも契りが詠まれている。
初句「ひとよとは」の「ひとよ」は、「一夜」と、竹の節と節の間をいう「一節」とを掛けており、平仮名のままとした。三句の「川竹」と縁語をなす。
二句「いつか契りし」はいつ約束しただろうかの意で、係助詞「か」による反語であり、過去の「き」の連体形で結ぶ。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「川竹の」は川辺に生える竹のの意で、四句の「流れ」を導いている。
四句「流れてとこそ」は長く続いてとの意で、「流れて」は川竹の縁で、時を経て長く続く意を表す。係助詞「こそ」が結句の已然形「しか」と係り結びをなす。
結句「思ひ初めしか」は思い始めたのにの意で、過去の「き」の已然形で結び、逆接の余情を残している。
ひとよ:「一夜」と、竹の節と節の間の「一節」を掛ける
かはたけ:川辺に生える竹
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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あさましや逢ふ瀬も知らぬなとり川 まだきに岩間漏らすべしやは
- 次の歌
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逢ひ見ての後つらからば世々を経て これよりまさる恋に惑はむ