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逢ひ見ての後つらからば世々を経て
これよりまさる恋に惑はむ

歌の意味
逢った後になってつれなくなるようなことがあれば、幾世を経ても、これよりもまさる苦しい恋に迷うことになるだろう。
鑑賞
巻第七 恋歌上 398

 逢った後でつれなくなるようなことがあれば、幾世にもわたって、今よりもまさる苦しい恋に迷うことになろう、と詠む歌である。誓いの形で、逢った後も変わらぬ心を求めている。誰の心変わりをいうかについては解釈が分かれる。
 伝本の中には、作者を皇后宮式部とするものがある。
 前歌の第三百九十七首が逢った後の相手の心変わりをなじるのに続き、本歌は逢った後のつれなさを戒めている。

 初句「逢ひ見ての」は逢って契りを結んだの意である。
 二句「後つらからば」は後で冷淡になるならばの意で、未然形に「ば」を付けた仮定である。
 三句「世々を経て」は幾世も生まれ変わっての意で、来世までも続く報いを示している。
 四句「これよりまさる」はこれ以上にまさるの意で、今の恋の苦しさよりもいっそう深いことをいう。
 結句「恋に惑はむ」は恋に迷うだろうの意で、推量の「む」を用いる。

よよ:幾つもの世。生まれ変わって続く世
まどふ:心が乱れて迷う
出典
金葉和歌集
前の歌
ひとよとはいつか契りし川竹の 流れてとこそ思ひ初めしか
次の歌
いつとなく恋に焦がるる我が身より 立つや浅間の煙なるらむ