後の世と契りし人もなきものを
死なばやとのみ言ふぞはかなき
- 歌の意味
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来世を共にと約束した人もいないのに、ただ死んでしまいたいとばかり言うのは、むなしいことだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 400
来世で一緒になろうと約束した人がいるわけでもないのに、恋の苦しさから死んでしまいたいとばかり口にするのは、むなしいことだ、と自らを省みる歌である。恋に思いつめる心と、それを冷静に見つめる心とが交錯している。
伝本の中には、作者を藤原成通とし、「恋の歌とてよめる」の詞書を持つものがある。
本巻の第四百三首も、契りと死とを結びつけて詠んでいる。
初句「後の世と」は来世でとの意である。
二句「契りし人も」は約束した人もの意で、過去の「き」の連体形を用いる。本巻の第四百三首の二句「かけて契りし」と同じく契りを詠んでいる。
三句「なきものを」はいないのにの意で、逆接の「ものを」を用いる。
四句「死なばやとのみ」は死んでしまいたいとばかりの意で、願望の終助詞「ばや」を用いる。
結句「言ふぞはかなき」は言うのはむなしいことだの意で、係助詞「ぞ」が連体形「はかなき」と係り結びをなす。
のちのよ:死後の世、来世
ちぎる:約束する。男女が将来を約束する
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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いつとなく恋に焦がるる我が身より 立つや浅間の煙なるらむ
- 次の歌
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言はぬ間は下這ふ葦の根をしげみ 隙なき恋を人知るらめや