待ちし夜の更けしを何に嘆きけむ
思ひ絶えても過ぐしける身を
- 歌の意味
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待っていた夜が更けていったのを、どうしてあれほど嘆いたのだろうか。思いを断たれても、こうして日を過ごしてきた身なのに。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 402
かつてはあの人を待つ夜が更けていくのをあれほど嘆いたが、すっかり思いを断たれた今もこうして生きているのだから、何をあのように嘆いたのだろう、と振り返る歌である。待つことさえなくなった今の寂しさから、待つことのできた日々を逆に思いやっている。
伝本の中には、作者を白河女御越中とするものがある。
本巻の第三百五十二首は待つ夜が明ける暁の嘆きを詠み、本歌は待つことさえ絶えた後から待つ夜を振り返っている。
初句「待ちし夜の」は待っていた夜のの意で、過去の「き」の連体形を用いる。
二句「更けしを何に」は更けていったのをどうしての意である。
三句「嘆きけむ」は嘆いたのだろうかの意で、過去推量の「けむ」を用いる。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「思ひ絶えても」は思いが絶えてしまってもの意で、相手との仲が絶えたことをいう。
結句「過ぐしける身を」は過ごしてきた身なのにの意で、詠嘆の「けり」の連体形に逆接の「を」を添えている。
おもひたゆ:思いが絶える。望みを失う
- 出典
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金葉和歌集
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言はぬ間は下這ふ葦の根をしげみ 隙なき恋を人知るらめや
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命をしかけて契りし仲なれば 絶ゆるは死ぬる心地こそすれ