恋ふれども人の心の解けぬには
結ばれながら帰る玉章
- 歌の意味
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いくら恋い慕っても、あの人の心が打ち解けないので、送った結び文は結ばれたまま、解かれもせずに返ってくることだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 407
いくら恋い慕っても相手の心が打ち解けないので、送った結び文は結ばれたまま解かれもせずに返ってくる、と詠む歌である。「解く」と「結ぶ」を心と手紙の両方に通わせ、通じない思いを機知的に表している。
伝本の中には、作者を皇后宮美濃とし、「皇后宮にて人々恋の歌つかうまつりけるに、被返書恋といへる事を」の詞書を持つものがある。皇后宮で人々が恋の歌を詠んだ折に、手紙を返される恋の題で詠んだ歌ということになる。
初句「恋ふれども」は恋い慕ってもの意で、逆接の「ども」を用いる。
二句「人の心の」はあの人の心がの意である。
三句「解けぬには」は打ち解けないのでの意で、心が解けないことと、結び文の結び目が解かれないこととを重ねている。
四句「結ばれながら」は結ばれたままでの意で、三句の「解け」と対をなしている。
結句「帰る玉章」は返ってくる手紙で、体言止めで結んでいる。本巻の第三百七十二首の「かき絶ゆる」、第三百七十九首の「書きつらむ」と同じく手紙を詠んでいる。
たまづさ:手紙
- 出典
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金葉和歌集
- 前の歌
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思ひやれ訪はで日をふる五月雨の ひとりやどもる袖のしづくを
- 次の歌
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心ざしあさぢが末に置く露の たまさかに訪ふ人は頼まじ