石走る滝の水上早くより
音に聞きつつ恋ひわたるかな
- 歌の意味
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岩の上を激しく流れる滝の水上の流れが速いように、早くからあなたの評判を聞いて、ずっと恋い続けていることだ。
- 鑑賞
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巻第七 恋歌上 419
岩の上をほとばしる滝の水上の流れが速いように、ずっと早くからあなたの噂を聞いて、恋い慕い続けている、と詠む歌である。滝の「早く」と「音」の縁で、噂に聞くだけの長い片思いを表している。
伝本の中には、作者を前中宮上総とし、「恋の心を人にかはりてよめる」の詞書を持つものがある。人に代わって恋の心を詠んだ歌ということになる。
本巻の第三百七十四首の結句「恋ひわたるとは」と同じく、「恋ひわたる」で恋い続ける心を詠んでいる。
初句「石走る」は岩の上を激しく流れるの意で、「滝」にかかる枕詞である。
二句「滝の水上」は滝の上流の意で、流れの速さから三句の「早く」を導いている。初句と二句が序となっている。
三句「早くより」はずっと以前からの意で、流れが速い意を響かせている。
四句「音に聞きつつ」は評判に聞きながらの意で、「音」は滝の音の縁で評判の意を表している。
結句「恋ひわたるかな」は恋い続けることだの意で、「わたる」は滝の流れの縁語である。本巻の第三百七十四首の結句「恋ひわたるとは」と同じ語である。
みなかみ:川の上流
おと:うわさ、評判
こひわたる:恋い続ける
- 出典
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金葉和歌集
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立ちながら来たりと逢はじ藤衣 脱ぎ捨てられむ身ぞと思へば
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頼めおく言の葉だにもなきものを 何にかかれる露の命ぞ